X方向(東西)は保有耐力は必要耐力の1.16倍で合格点、Y方向(南北)は0.92倍と残念ながら耐力不足でした。
その中で壁配置の偏りによる低減係数が特に気になりました。
X方向は北側領域aに対し南側領域bの充足率が大幅に低いため、窓が多い南側を耐震補強すれば偏りが低減。
Y方向は西側領域イに対し東側領域ロの充足率が低いため、玄関の有る東側の耐震補強により釣り合う方向。
日経ホームビルダー2013年6月号によると、窓が多く壁が少ない南側などがねじれて傾く地震被害が多発したため、その対策として壁配置偏りの評価が2000年に導入されたそうです。
詳細は平成12年改正の接合部仕様と壁配置方法に示されています。
御茶ノ水山荘では、東側の外壁(W15)と南側の外壁(W8)を、片筋かいから両筋かいへ変更しました。
具体的には壁を開けて/筋交からX筋交に変更して頂き、劣化度の原因となっていた床束の浮き補修と合わせて、現在基準の最低限の耐震性は確保しました。
居間内壁W13とW45も両筋交に変更し、W42にK字型の制振装置追加も考えていましたが、予算の関係で残念ながら見送りました。(本当は静岡県の地域係数1.2倍まで補強したかったのですが)